知らない言語で話しかけられたら、困惑しませんか?僕はものすごく困惑し、心拍数が上昇します。動悸、発汗あり。
日本語で話しかけられた時でもちょっとドキドキしますが、自分と同じ方言で話しかけられたら、「おっ!?」となりませんか?
身構える姿勢が、少し低くなりませんか?
「え、何?同郷!?」「どうした?どうした?何か困ってるん!?」「おっちゃんに出来ることがあったら、何でもしまっせ!」という心境になりませんか?
『自分と共通点をもつことが、心を開く助けになる』
今回は、このような共通点の中の”方言”についてのお話です。
御当地アイドル
ゆるキャラに端を発した”地方文化の発信”が一つのブームになったことは記憶に新しいかと思います。
その派生によって”御当地アイドル”も誕生し、中にはテレビの全国放送にて活躍している方もいらっしゃいます。
性格(キャラクター)は勿論のことしゃべり方も、訛りや方言を使っていることで、しっかりとブランディングがされているんだろうなぁ、と考えています。
そのアイドルの実際の出身地が本当に”御当地”なのか、裏は取っていませんが、僕は素直な気持ちで見ています。
東北育ちですけど、なにか?
僕は東北の地方で育ったことから、ご多分に漏れず、訛っています。
さらに、初期研修やその後の診療であちこちの地方に行ったことから、その地方の各方言に少しずつ影響されて、現在は不思議な訛りをまき散らして診療にあたっています。
仕事中にも「あ、訛ってるな」と自分でも思うことが時々ありますが(他の人からみたら四六時中訛ってると思われているかもしれませんが・・・)、どこの地方の方言なのか分からないイントネーションでしゃべったりするので、その場がすこし不思議な空気感になります。
診療室に(はてな?)という空気が流れます。
訛っていますけど、なにか?
診療室に不思議な空気が流れることがある一方、親近感を感じてもらうこともあるかとは思います。
方言や訛りが、心の距離を縮めることに役立つ場面もあります。
言いづらかったことも言えるような関係であれば、より深く相手のことがわかるだけではなく、診断の手がかりとなるキーワードが得られ時もあります。
それと同時に、訛ってしゃべっていると、(なんだか、わざとらしいなぁ)(意図的に親近感を創り出しているんじゃないかなぁ)と自分自身感じてしまうこともあったりします。
親近感を創り出すことが結果に結びつくのであれば、いくらでも訛ってしゃべります。
しかし、端からみている人に、(あいつは、聞いたこともない方言でわざとしゃべってあざといヤツだ)と思われているかもしれないと思うと、どのようにしゃべれば良いのか分からなくなり、尚更、イントネーションがおかしくなったりもします。
(いったい僕は、どこの人なんだろ・・・)
僕はアイデンティティーを喪失しているのです。この歳になって。
診察室の光景
あなたの担当医が訛ってしゃべっている場合、多くは自然と方言でしゃべっているだけだと思いますが、中には意識的にしゃべっている医師もいます。
ただそれは、診療を円滑にすることや、より深い悩みを引き出すために行っている場合もあります。
方言や訛りが『的確な診断、適切な診療』としての技術でもあるのです。
そのような医師の診察を、(なんだか、うさんくさいヤツだ)とか思わずに、おおらかな気持ちで受け取っていただければ幸いです。
では、お大事に。
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