【患者心得について】

Medicine

患者としての自分の身を守るために

  • 体の調子が今ひとつ
  • 発熱や咳、痰が出る
  • 胸が痛い、腹が痛い

皆さん、いろいろな理由で病院を受診するかと思いますが、医者の診察を受ける時には気をつけた方が良いことがあります。

これからお話することを気をつければ、スムーズに診療が進み、結果として自分の身を守ることにもつながります。

体調が悪いのに、なんでさらに気をつけなくてはいけないのだ!」

との意見、ごもっともです。

しかし、自分の身を守るためだと思えば、少しはこれからのお話も聞いていただけるのではないかと思います。

今回は、自分が患者として医者の診察を受ける時に”どのようなことに気をつければ身を守れるのか”というお話です。

診察している向こう側(医者)

診療サイド(医者側)の思いとしては、”外来患者さんをスムーズに診察して、早々に次の仕事に取りかかりたい”というのが本音です。

やらなくてはいけない仕事は山積しております。

病棟に入院している患者さんの状態を確認して、点滴や内服薬(飲み薬)調整を行ったり、看護師さんに指示(点滴の変更や流量の調整、どれくらい動いて大丈夫なのかといった安静度や検査など)を出したりしなくてはいけません。

さらに、循環器内科で言えば、冠動脈カテーテル検査(心臓の血管撮影)やステント治療、アブレーション治療(不整脈の治療)なども毎日予定されています。

それと同時に救急車が来て、搬送されてきた患者さんが自分の診療科に関係した病気であった場合には、呼び出されて対応しなくてはいけません。

命に関わりそうな状況が病院の中のあちこちで同時進行しています。

ですので、比較的病気の状態が安定している(と考えられる)外来患者さん(外来を受診する患者さん)に対しては、外来診療時間を短縮したいという気持ちが働きます。

そんな時に、外来患者さんが自分の昔話や近況などを話されると医者は短気を起こしてしまいます。

また、他科(自分の診療科以外の診療科)の病気についてお話されても、自分の診療科ではないことから、話を遮ったりする医者もいます。

短気を起こした医者の態度は悪くなり、もはや診察に身が入らなくなってしまうのです。

その結果、診察がいい加減になったり、検査結果を見誤ったする可能性がでてきます。

  • それは、そんな医者が悪いんだろ!」
  • 「話を聴くのも仕事だろう!」
  • 「自分の専門ではないから診察しないとは何事か!」

との御意見、もっともです。

その医者や日本の医療システムについて言いたいことは山ほどあるかとは思いますが、今回は、「そういうものなのだな」と割り切っていただければ幸いです。

体調不良で外来診察したのですから、”先ずは自分の健康を取り戻すのが先決”という方向に考えを切り替えていただければ幸甚です。

先ずは、割り切りが必要です。

診察時に何に気をつけるのか

では、そんな医者が暗躍する診察室において、患者としての自分は何に気をつければ良いのでしょうか。

結論から言えば、それは、”医者をおだてておくこと”です。

医療サイドとしては、自分の診療科外来で日常的に診断する病気の種類は多くはありません。

程度(重症度)の軽い重いはありますが、”いつもの病気”という気持ちで診療しています。

このことは、患者さんにとっては不誠実な印象を持つかとも思います。

(なんだか、真面目に診察していないなぁ)

と感じるかもしれません。

しかしこれは診療経験(慣れ)の問題ですので、「もっとしっかり診察しろ!」とかは言わないでください。

医療サイドはその病気に慣れているので、むしろ安心してもらった方が良いかもしれません。

医者は多くの患者さんに接してきたことで、病気の重症度が分かり、希な疾患に遭遇した時には違和感を持ちます(すみません、感じ取れないときもあります)。

そのような時には、医者の”診療ギアもチェンジする”ので、安心して診察を受けて下さい。

話が少しそれてしましましたが(これがいけません)、”医者をおだてるにはどうすれば良いのか”と言えば以下です。

「自分を診察している医者と喧嘩しないこと」

これが、最良です。

医者と喧嘩しても得することは何もない

外来診察室で医者と喧嘩をしても患者さんが得することは何もありません。

むしろ、へそを曲げた医者の自分に対する心象が悪化することで口調が雑になったり、態度が横柄になったりして、時には検査結果を読み損ねたりする可能性もあります。

そのためにも医者の話を遮ったりしない方が良いと思います。

大なり小なり、医者はプライドの高い生きものですので、それを傷つけるようなことは控えましょう(まぁこれは、一般的にもそうですが)。

おだてておいて、”医者を自分の手のひらの上で転がしてやる感じ”で診察を受けるのが喧嘩を回避するには手っ取り早いかと思います。

本心は別として構いません。

そして診察においては、訴えは明確に伝え、説明は短い方が良いでしょう。

症状はいつからで、体のどこどんな症状が出るのか。

頻度持続する時間も重要です。

症状が軽快するシチュエーションも大事なのですが、ここまで伝える必要はありません。

これらをまず伝えた後は、医者が質問することに淡々と簡潔に答えていけば大丈夫です。

症状をはっきり伝えないとか、長々と説明することは医者をイラつかせてしまうので避けましょう。

これだけの(こんなにも?)心がけで自分の身の守ることが出来るのであれば、我慢していただけるのではないでしょうか。

まとめ

  • 患者としての自分の身を守るためには、医者と喧嘩をしてはいけません。
  • 医者を自分の手のひらの上で転がしてやる気持ちでおだてましょう。
  • 自分の症状は明確に、説明は短めに伝えましょう。
  • 昔話や身の上話、話が脱線すると医者はイラだってしまうのでご注意下さい。

なお、精神科外来では自分の生い立ち、学歴、生活環境などは重要な情報ですので、昔話や身の上話などは積極的に行わなくてはいけませんので悪しからず。

では、お大事に。

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