【『自分探しの旅』について】

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『自分探しの旅』なんて存在しない

僕は20歳前後の数年間を人生のモラトリアムとして、ニート期間を過ごしていた経験があります。

その時期は、現状に対する不安や不満、”今の自分は本来の自分ではない”との思い込みみたいなものから、自分の現状を否定して何度か『自分探しの旅』に出ていました。

結局、インド旅の終盤になって「もう一度勉強しよう」という決意が生まれて帰国し、受験勉強を始めたのですが、”『自分探しの旅』の目的としての自分”を見つけたわけではありませんでした。

旅先に”自分”が落っこちているわけなんてないのですから、当たり前って言えば当たり前ですね。それを旅に出る時には気づけなかったほど、当時の僕は病んでいたのかもしれません。

受験では、教育要綱も変更になっていて、『代数幾何』や『基礎解析』といった名称はどこかにいってしまっていて、『数学 II』やら『数学 III C』やら、何がなんだか分からない状況からのスタートでした。もちろん『解の公式』とかは、すっかりどこかに旅立ってしまっていて、アタマの中には御不在でありました。

その後、医学部に入ってこうして働けるようにはなりましたが、今回は僕のニート期間に得た考えをシェアしていただければと思います。

『自分探しの旅』での目的は”自分”ではない

いろいろと悩んでいる時には解決策がみつからないものです。

ずっと部屋に引きこもって本を読んだり、映画を観たりしながら、何かしら解決の糸口が得られないかと期待したりもがいたりします。

「糸口さえつかめれば自分は這い上がれる!」

「きっかけさえあれば現状を打開出来る!」

「今の自分はちょっと理想と違うけれど、一時的なものだ!」

といった思いがある一方で、なかなか前に進めないジレンマに苦しめられるのです。

昔の僕も、そんな時の解決策として旅に出ていました。

振り返れば、行動するした分だけ、悶々と悩んで動けずにそこにいるよりは前進できましたが、旅の目的として”自分”を探しにいっても結論、見つかりませんでした。

初めから、今の自分とは違う”本来の自分”、思い描いていた”理想の自分”が旅先にあるものではないので、僕の『自分探しの旅』はスタートの時点からすでに勘違いをした旅ではあったのです。

それでも旅する必要はある

『自分探しの旅』は旅の目的が違うことから勘違いの旅になりますが、旅をすることで成長します

知らない文化、感じたことのない空気、聞こえてくる言葉や街の騒音すべてが自分を成長させてくれます。

不安や興奮を旅の間中ずっと繰り返して、旅先の空間で時間を使うことは自分の中に積み重なっていき、その結果”理想の自分”に近づけるといった結果になります。

毎日を安定して生活していくことももちろん大切ですが、時には刺激を受けないと見聞は広がらず、自分の中に蓄積していくものが少なくなってしまいます。

自分への刺激として何かにチャレンジすることが重要です。

もう一度受験勉強して大学に入るでも良いですし、ファイナンシャルプランナーの勉強でも、プログラミングを始めてみるでも良いかと思います。

このチャレンジをする際に、勉強などの”アタマでやること”は、旅などの”カラダでやること”よりも自分の内なるエネルギーが必要な気がします。

変な宗教みたいな言い方ですが、そんな勧誘とかではありませんので御安心を・・・。

”アタマでやること”と”カラダでやること”

”アタマでやること”のメリットは瞬発力です

「やろう!」

と決めたその瞬間には実行可能であることが”アタマでやること”の最大の利点です。

”カラダでやること”は、「やろう!」と決めた後にもチケットを取るとか、空港に行くとかの行動の時間が必要になります。その分瞬発力にかけてしまいます。

”カラダでやること”のメリットは推進力です

環境の変化にともなって”やらなくてはいけない環境”に置かれることで外部からの強制力が働いてくれます。

僕の旅で言えば、その日の宿を探して決めなくてはいけませんでしたし、毎日の食事も確保する必要があったので、やらなくては明日の我が身だけでなく今日の我が身も分からなくなります。

”やらなくてはいけない環境”が自分を前に進めてくれる推進力になり、やらなくては生活出来ないのでやらなくてはいけない。これが”カラダでやること”のメリットです。

『旅の勧め』はこれまでにもたくさん言われてきていますが、未だに言われ続けられていることから、結局多くの人が旅をしていないからです。

旅は”カラダでやること”の影響力が強いので推進力があります。

この推進力と”アタマでやること”の瞬発力を上手く使いこなすことで”本来の自分””理想の自分”になります。

何か物足りなさを感じたら、”その時”がきた

日々の生活の中で何か物足りなさを感じたのであれば、新しいこと(または、以前していたけどやめてしまったこと)にチャレンジする時が来たの合図です。

「”その時”がきた!」のだと鐘が鳴らされたのです。

この時こそ”アタマでやること”でも”カラダでやること”でも、どちらでもよいので始めるタイミングです。

『自分探しの旅』は、”本来の自分””理想の自分”が旅先に落っこちているわけではないので、初めから勘違いの旅ではあるのですが、その旅をする行為や旅先でのエピソードが自分を高めてくれます。

推進力のある旅をするのであれば、その旅をする行為や旅先でのエピソードが、”本来の自分”“理想の自分”に近づけてくれます。

自分を探しに旅に出てはいけませんが、解決策が見つからずに思い悩んでいる人(場合)には、旅が処方箋となります。

でわ、良い旅を。

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